「電験三種に受かるのは、数学ができる人じゃありません。」
「数学で一度つまずいて、戻ってきた人です。」
「俺は30代目前で、因数分解からやり直しました。」
【画像を挿入①:中学数学のドリルと電験のテキストが並んだ机】
あなたが電卓を置くのは、「頭が悪い」からじゃない
テキストの計算問題で、手が止まる。
答えのページを開いても、途中式の1行目が読めない。
「なぜここで、この形になるのか」が分からない。分からないまま、答えを写して、次のページに進む。
そして翌日、同じ問題を開いて、また止まる。
そこで、あなたは結論を出してしまいます。
「俺は頭が悪いから、電験は無理だ」
違います。
読めないのは、頭の問題じゃありません。前提が、抜けているだけです。
俺はそこに気づくまで、丸1年を無駄にしました。
計算が読めれば、問題は解けます。読めないから、止まる。それだけの話です。
【画像を挿入②:途中式の前に鉛筆が止まっているページ】
この記事を読み終えたあなたは、こうなっています
- 計算問題が読めない原因が「中学数学の穴」だと、はっきり分かる
- 戻るべき範囲を、全部で8つに絞れている
- 1日30分で戻る進め方を知り、今日から始められる
俺の現在地を、数字で出します
35歳。スーパーゼネコン正社員。年収1,200万円。
18時帰宅。休日はサーフィンとトライアスロン。
妻と子供2人。地元にアパート1棟。毎月15万円を積立投資。
資格は第二種電気工事士、第一種電気工事士、1級土木施工管理技士、電験三種、技術士(建設部門)。
そして俺は、中学数学からやり直した人間です。
19歳、食品工場で手取り14万円。22歳、北海道の防波堤現場で電工、手取り19万円。
因数分解に戻ったのは、30代目前でした。
【画像を挿入③:19歳から35歳までの階段】
「えっ、そうなの!?」電験に必要な数学は、思っているより狭い
先に、一番伝えたいことを書きます。
電験三種に、大学入試のような数学は要りません。
これが分かった瞬間、俺の勉強は変わりました。
世間では「電験は数学が難しい」と言われます。だから、多くの人が高校の数学の参考書を最初に買う。500ページを超える本を開いて、3日で心が折れる。
順番が違います。
俺が実際に戻ったのは、次の範囲です。これだけでした。
- 分数と小数の計算
- 平方根(ルート)の扱い
- 因数分解と展開
- 一次方程式・連立方程式・二次方程式
- 指数法則と対数
- 三角比と三角関数
- 複素数
- ベクトルの基本
見てください。8つです。
そして、この8つは全部つながっています。分数が弱いとルートで詰まり、ルートが弱いと三角関数で詰まり、因数分解が弱いと二次方程式で詰まる。
つまり電験でつまずくのは、8つのどこかが抜けているだけです。
才能ではありません。
俺は、中学数学に戻るのが恥ずかしかった
正直に書きます。
30代目前で、本屋の児童書コーナーに近い棚から、中学数学のドリルを買うのが恥ずかしかった。
レジに持っていくとき、少し下を向いた。レジの店員は、何も言わなかった。でも俺は、説明を求められる気がしていた。
家に帰って開いたら、最初の因数分解の問題で、手が止まった。中学の内容です。それすら、すっと出てこなかった。
そのとき、母に言われた一言があります。
「あんた、手に職があるんだから」
この言葉で、俺は戻る決心がつきました。恥ずかしさより、先の景色を取りたかった。
戻るのは、後退ではありません。土台を打ち直す作業です。
【画像を挿入④:中学数学のドリルを開いた手元】
戻り方は、1日30分でいい
戻り方は、シンプルです。
1日30分。中学数学の計算ドリルを、3周する。
新しい単元に進まず、1冊をやり切る。これだけです。
俺はここでも失敗しています。最初は「戻るくらいなら一気にやろう」と、週末にまとめて8時間やりました。3日で挫折しました。平日に積み上げられず、週末に帳尻を合わせようとすると、必ず崩れます。
毎日30分の方が、強かった。
戻る期間の目安は、俺の実感では1ヶ月から2ヶ月です。1日30分を続けた場合です。
1ヶ月半、計算に戻る。そのあとに電験のテキストに入る。
この順番に変えただけで、テキストの途中式が読めるようになりました。
読めれば、問題が解ける。
計算が読めるかどうかが、そのまま合否になります。
つまずいている場所を、具体的に書きます
「三角関数でつまずく」と言っても、抽象的な話では動けません。だから、現場でよく聞く形を書きます。
力率の問題です。cosθという文字が出てくる。三角比の表は覚えた。でも、「なぜcosθが、有効電力と皮相電力の間に出てくるのか」が分からない。だから公式だけを暗記して、少し形が変わった問題で止まる。
止まった場所は、三角関数じゃありません。直角三角形の辺の比が、頭の中で図になっていないことです。
俺は中学数学の三角比に戻って、毎回直角三角形を書いてから式を立てるようにしました。それだけで、cosθの意味が腹に落ちました。図が浮かべば、公式は覚えなくても出てきます。
もう1つ。複素数の計算です。jという記号が出てくる。ここで止まる人は、平方根と分数の扱いが弱いことが多い。jの計算は、ただの分数とルートの計算です。土台が抜けていると、記号の見た目に負けます。
つまずいたときは、その単元に戻るんじゃありません。その単元の、さらに1つ前の単元に戻る。 これが俺のやり方でした。
戻る場所を探すのが面倒だから、人は教材を増やすんです。
独学でつまずくのは、能力ではなく「順番」
ここまでの話を、いったん整理します。
電験三種に落ちる人には、共通点があります。
まず参考書を買う。次に問題集を買う。そして、計算でつまずいて、テキストを閉じる。
順番が、逆なんです。
計算の土台 → テキスト → 過去問。この順番でしか、進みません。
そして、この土台の部分は、1冊で足ります。俺はこの1冊で中学数学に戻りました。戻る範囲を、8つに絞ってある教材です。
電験のテキストに入る前に、ここを1回通す。それだけで、その後の1年が変わります。
デメリットも書いておきます。この教材が向いているのは、計算でつまずいている人です。すでに中学数学の計算がすらすら出てくる人には、不要です。その場合は、さっさと電験のテキストに進んでください。
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よくある質問
Q1. 結論、中学数学に戻るのと、高校数学から始めるの、どちらが正しいですか?
結論、中学数学です。
理由は単純で、電験でつまずく原因の多くが、中学数学の計算の穴にあるからです。
分数、平方根、因数分解。ここが抜けたまま高校数学に進んでも、また止まります。
俺は中学数学に戻って、初めて前に進めました。
Q2. 結論、数学が本当に苦手でも、何ヶ月あれば間に合いますか?
結論、1ヶ月半から2ヶ月です。
1日30分で、中学数学のドリルを3周する計算です。
戻ってから電験のテキストに入れば、そこからの進みが段違いになります。
急いで遠回りを省くより、戻ってから走った方が、結果的に速いです。
Q3. 結論、文系・計算が苦手な現場ワーカーでも受けられますか?
結論、受けられます。
電験三種に必要な数学は、中学数学と高校数学の一部です。大学入試レベルの数学は要りません。
俺は食品工場から始めた人間です。因数分解から戻って、電験三種まで来ました。
「文系だから無理」は、戻っていないだけです。
Q4. 結論、戻っている時間がもったいなく感じます。どう考えればいいですか?
結論、戻るのはもったいなくありません。
計算でつまずいて、テキストを閉じる時間こそが、一番もったいないです。
俺はそれを1年やりました。テキストを開いては閉じて、を繰り返した。
1ヶ月半だけ戻って、そこから3年走る。どちらが速いか、明らかです。
Q5. 結論、戻らずに電験のテキストだけをやるのは、なぜダメですか?
結論、途中式が読めないままになるからです。
テキストに載っている計算は、中学数学ができる前提で書かれています。前提が抜けていると、説明が1行も頭に入りません。
分からないまま覚える。覚えたことは、試験本番で使えません。
戻るのが、一番の近道です。
Q6. 結論、今日、何を始めればいいですか?
結論、中学数学のドリルを1冊だけ買うことです。
電験のテキストは、まだ開かなくていい。
1日30分、3周する。それだけを、1ヶ月半続けてください。
それが終わったとき、あなたは別人になっています。
過去の俺へ
中学数学に戻るのを迷っていた、あの頃の俺へ。
本屋で下を向いて、ドリルをレジに持っていった日のこと、覚えているか。
恥ずかしかったよな。周りに誰も、褒めてくれなかったよな。
でも、あの1冊が、いまの年収1,200万円の一番下の段だ。
お前が戻ったから、ここに立っている。
後退だと思ったその一歩が、一番大きな前進だった。
これを読んでいる、あなたへ
計算問題の前で、手が止まったことがあるはずです。
途中式の1行目が読めなくて、「俺は無理だ」と思った夜があるはずです。
それは、あなたの頭が悪いんじゃない。
ただ、前提を1つ、飛ばしているだけです。
戻るか、戻らないか。
1冊を開くか、開かないか。
それだけです。
俺は30代目前で、因数分解から戻った。あなたにできない理由は、ひとつもありません。
今夜やる、3つのこと
- 中学数学のドリルを1冊だけ買う(増やさない)
- 1日30分の時間帯を、いま決める
- 3周すると、カレンダーに印をつける
【画像を挿入⑤:今夜の3アクション】
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次回予告
次回は「電験三種の計算問題で、最初に捨てていい分野と、捨ててはいけない分野」をお伝えします。全部を解こうとして、時間を溶かさないための線引きを書きます。
【執筆者プロフィール】 電工ライリー。19歳・食品工場(手取り14万円)→22歳・北海道防波堤現場の電工(手取り19万円)→派遣監督→1級土木施工管理技士→電験三種→中堅ゼネコン→技術士(建設部門)→35歳・スーパーゼネコン正社員(年収1,200万円)。保有資格は第二種・第一種電気工事士、1級土木施工管理技士、電験三種、技術士(建設部門)。


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