電験三種の勉強法【現役スーゼネ機電施工管理者が2年で合格した超現実的な全記録】

電験合格ロードマップ

「電験三種を取りたいけど、数学が苦手で不安」 「働きながら本当に合格できるのか?」 「学歴に自信がないけど、電験でキャリアを変えられるのか?」

そんな悩みを持つあなたに、現役スーパーゼネコンで機電施工管理をしている私の実体験をお伝えします。

私は22歳のとき、派遣の現場監督として働きながら電験三種の勉強を始め、2年かけて合格しました。当時の私は、中学・高校の数学も理科も平均点が取れなかったレベル。持っていた電気の知識は第二種電気工事士だけ。特別頭が良いわけでも、恵まれた環境にいたわけでもありません。

それでも合格できたのは、遠回りに見える「基礎固め」を最初に徹底したからです。この記事では、教材選び、勉強時間の配分、科目別の攻略法、そして働きながら2年間走り切るための工夫まで、すべて包み隠さず公開します。

この記事を書いている人 現役スーパーゼネコン勤務、機電施工管理5年目。土木・建築現場で機械設備・電気設備の施工管理を担当。第三種電気主任技術者、1級土木施工管理技士、技術士(建設部門・電気電子部門)、第一種電気工事士を保有。第二種電気主任技術者は科目合格中。

電験三種とは?なぜ取る価値があるのか

第三種電気主任技術者(電験三種)は、電気事業法に基づく国家資格で、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物の保安監督ができる資格です。

年に2回(上期・下期)試験があり、理論・電力・機械・法規の4科目で構成されています。合格率は例年8〜15%と低く、電気系の国家資格の中でも難関に位置づけられています。

私が電験三種を目指した理由はシンプルで、「キャリアの選択肢を広げたかった」からです。当時22歳、派遣の現場監督で先が見えない不安がありました。電験を取れば、施工管理だけでなく、ビルメン、電気保安法人、電力会社関連、再エネ業界など、進路が一気に広がる。この一点に賭けました。

結論から言うと、この判断は正解でした。給料も転職市場での評価も上がりましたが、それ以上に大きかったのは「学歴がない自分にとって唯一の努力できる証」になったことです。面接での相手の反応が、電験取得の前と後で明らかに変わったのを肌で感じました。学歴に自信がない人ほど、電験は取るべき資格だと断言できます。

受験前の私のスペック(決して有利ではなかった)

正直に書きます。電験三種を目指し始めた時点での私のスペックは、以下の通りでした。

年齢は22歳、職業は派遣の現場監督。電気の知識は第二種電気工事士レベルのみ。数学と理科は中学・高校時代に平均点を取れなかった。大学にも進学していない。

「電工の実務経験があるから有利だったのでは?」と思われるかもしれませんが、電工の現場知識と電験三種の理論科目はまったく別物です。オームの法則すら怪しい状態から、微分積分や三角関数を使う世界に飛び込むわけで、ゼロどころかマイナスからのスタートに近い感覚でした。

それでも合格できたのは、自分のレベルを正直に受け入れて、遠回りを選んだからです。

勉強期間と時間配分:2年間で合格するまでの全記録

トータル期間は2年

私は科目合格制度を使って2年で合格しました。電験三種の勉強を始めるすべての人に、科目合格制度を使う戦略を強くおすすめします。一発合格を狙って全滅するより、2〜3年かけて確実に積み上げる方が、働きながら合格する現実的なルートです。

1日の勉強時間

平日は朝1時間、夜1時間の合計2時間。休日は5時間。これを2年間続けました。

ポイントは「休日は5時間以上は絶対にやらない」と決めていたことです。電験の勉強は長期戦で、息抜きなしに走り切ることは不可能。土日どちらかは完全にオフにする日を作るくらいでちょうどいいです。

平日の勉強時間も、朝と夜に分割したのが良かったと思います。朝の1時間は頭がクリアで理論科目の計算問題に向いており、夜の1時間は暗記系や過去問の見直しに使う。時間帯で内容を使い分けると効率が上がります。

トータル勉強時間の目安

正確なトータルは記録していませんが、単純計算すると次のようになります。

平日2時間 × 週5日 × 52週 × 2年 = 約1,040時間 休日5時間 × 週2日 × 52週 × 2年 = 約1,040時間

合わせて約2,000時間ですが、途中で休んだ日もあるので実質1,500時間前後だと思います。よく「電験三種は1,000時間の勉強が必要」と言われますが、数学から逃げなかった私でも1,500時間かかったので、初学者は1,500〜2,000時間を覚悟しておくと安全です。

使った教材:TAC出版一択でOK

私が使った参考書はTAC出版のシリーズです。現在の同シリーズは「みんなが欲しかった!電験三種」として販売されており、初学者にとって最もわかりやすい構成になっています。

参考書選びで迷う時間は完全にムダです。書店で3冊も4冊も見比べる必要はなく、「みんなが欲しかった!電験三種」シリーズを4科目分揃えて、それを何周も繰り返す。これで十分です。

私が電験を受けた当時はYouTubeにも情報が少なく、ひたすら参考書を繰り返していました。しかし今は状況がまったく違います。過去問解説動画がYouTubeに山ほどあり、さらに強力なのがAIです。

わからない問題をAIに投げれば、一瞬で解説してくれます。しかも自分の質問レベルに合わせて答えてくれるので、「なぜこの式変形になるのか」を何度でも聞ける。24時間対応の家庭教師が無料で手に入る時代なので、これを使わない手はありません。私が受験した頃にAIがあれば、確実に1年短縮できていたと思います。

過去問については10年分は必須、できれば+5年分で計15年分をこなすのが理想です。電験三種は過去問の類題が多く出るので、過去問演習の量がそのまま合格率に直結します。

【最重要】数学の基礎固めから絶対に逃げるな

これから受験する人に最も伝えたいのは、これです。

数学の基礎ができていない状態で電験の参考書を開いても、絶対に理解できません。

私自身、中学・高校の数学が壊滅的だったので、電験の勉強を始める前に学校の教科書レベルの数学を復習しました。具体的には、教科書の例題を解き直したり、計算ドリルを買ってひたすら計算を繰り返しました。特に三角関数、複素数、微分積分、対数、指数関数、ベクトル。このあたりは電験三種の理論科目で必ず出てくるので、逃げる場所はありません。

参考書を開いて、最初の数ページで「何を言っているかわからない」と感じたら、それは電験に挑む準備ができていない証拠です。悔しくても一度参考書を閉じて、中学・高校の数学の教科書に戻ってください。

遠回りに見えますが、これが一番の近道です。基礎を固めずに突き進むと、途中で必ず挫折します。そして「電験を一生取れないまま終わる」という最悪の未来が待っています。数学が苦手な人ほど、最初の1〜3ヶ月は数学の基礎固めに全振りする勇気を持ってください。

4科目それぞれの攻略法

理論:数学基礎ができていれば得意科目になる

私は理論が一番得意でした。数学と物理の基礎を固めていたので、電験の理論科目は「学校の勉強の延長」として比較的楽に取れました。

理論は電験三種の土台になる科目で、他の3科目(電力・機械・法規)にも影響します。逆に言えば、理論をしっかり理解しておけば、他の科目の理解も加速します。最初に取り組むべきは理論です。

電力:暗記と計算のバランス

電力は発電・送電・変電に関する知識が中心で、暗記要素と計算要素が半々です。理論の知識があれば計算問題は取りやすく、暗記部分は過去問の反復で対応できます。

機械:範囲が広く時間がかかる

機械は電動機、変圧器、パワーエレクトロニクス、照明、電熱など範囲が非常に広く、多くの受験者がつまずく科目です。1科目に時間をかける必要があるので、科目合格制度を使うなら「機械だけは1年かけて集中する」戦略もアリです。

法規:一番きつい科目、アプリで攻略

正直、私は法規が一番きつかったです。暗記は嫌いだし、条文を読んでも興味が湧かない。だから毎日の勉強時間に組み込むのが苦痛でした。

これから受験する人へのアドバイスは、法規はスマホアプリで通勤時間にやることです。机に向かって参考書を開く時間ではなく、電車の中や休憩時間の隙間で回す。この方が精神的な負担が圧倒的に軽く、記憶にも残りやすいです。

働きながら勉強するための3つのルール

ルール1:休日は5時間、それ以上はやらない

やる気がある日ほど、休日に10時間勉強したくなります。しかしそれをやると翌週の平日にガス欠になります。休日5時間で切り上げ、残りは完全に頭を切り離す。これで2年間走り切れました。

ルール2:平日は朝1時間、夜1時間で固定

「今日は疲れたからやらない」を許すと、そこから崩れます。朝1時間・夜1時間を機械的にこなすことで、モチベーションに左右されない習慣になります。

ルール3:息抜きの日を必ず作る

週に1日は完全オフの日を作ることを強くおすすめします。長期戦を乗り切る唯一の方法は、意図的に休むことです。

1級土木施工管理技士との同時取得は可能か

私は電験三種と1級土木施工管理技士を並行して取得しました。派遣現場監督時代のことです。

1級土木は現場で身につく知識や派生で覚えられる範囲が多く、勤務時間内に勉強することも許されていました。会社によっては就業時間中の資格勉強を認めているところもあり、そういう環境なら同時取得は現実的です。給料をもらいながら資格が取れるので、これほど効率的な時間の使い方はありません。

同時受験のメリットは、一度に2つ取り切れば、その後の勉強から解放されることです。デメリットは、単純にきついこと、そして両方落ちる可能性があること。

私自身、同時取得はやってよかったと思っていますが、無理にすすめはしません。1点集中で電験三種だけを狙うのも全然アリです。むしろ働きながらなら、1点集中の方が合格確率は高いと思います。

電験三種を取って実際に得られたもの

電験三種を取得して得られたものは、大きく3つあります。

1つ目は給料アップです。会社によって差はありますが、資格手当や昇給に直結します。

2つ目は転職市場での評価です。電験三種保有者は慢性的に不足しているため、転職エージェント経由の求人紹介数が明らかに増えます。私自身、電験を取得してから転職市場の見え方が180度変わりました。

そして3つ目、これが一番大きいのですが、**「学歴がない自分にとって、唯一の努力できる証」**になったことです。私は大学に行っていないので、学歴コンプレックスが常にありました。しかし電験三種は難関国家資格で、学歴に関係なく「努力した事実」を証明してくれます。

面接で電験三種を持っていることを伝えたときの相手の反応は、取得前と取得後で明らかに違いました。これは所感ではありますが、肌で強く感じたことです。学歴に自信がない人ほど、電験三種を取る価値は大きいと断言できます。

これから電験三種を受ける人へ

最後に、これから電験三種に挑む人へのアドバイスは1つだけです。

数学の基礎固めから絶対に逃げないでください。

参考書を開いて、数学でつまずいたら、残念ながらまだ電験に挑む準備ができていません。中学・高校の数学の教科書に戻り、基礎を固め直してください。遠回りに見えますが、それが一番の近道です。

基礎を固めずに続けると、途中で必ず挫折します。そして「電験を一生取れない」という最悪の道が待っています。数学に3ヶ月投資することを恐れず、まず土台を作ってから電験の参考書を開いてください。

私は22歳、数学も理科も平均点以下だった状態から2年で合格しました。特別な才能があったわけではなく、ただ基礎から順番に積み上げただけです。あなたにもできます。

電験三種は、人生を変えられる資格です。学歴、年齢、これまでの経歴に関係なく、努力した人に等しくチャンスを与えてくれる。この記事があなたの合格への第一歩になれば嬉しいです。

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